くぼんだ穴ぐらのような場所を抜けると、高台のような場所を見つけたり、
階段を上ったり降りたりしていると、いつのまにか土の中にいたり、
ひょっとしたら、家の外の人たちとばったり顔を合わせて挨拶、なんてこともあるかもしれない。
まちかど、公園、路地 ・・・ 有名なわけでも便利なわけでもないけれど、
人はみんな、それぞれ自分だけのお気に入りの場所を持っている。
【階段でつくる家】でも、人はお気に入りの場所を求めて、一日中いろいろな場所をめぐり続けるかもしれない。
食事をするとき、眠るとき、本を読むとき、仕事をするとき、外とのつながりを感じながら、
居心地のよい場所を発見する喜びと共に生活するのも、悪くないかもしれない
＜2次審査 プレゼンテーション＞
1. 階段でつくる家の入り口は、外周にはありません。
2. 入り口は、建物の中にあります。
3. 建物は、いくつかの階段からできていて、
4. 赤い印で描かれた壁と、青い印で描かれた梁で支えられています。
5. そこに屋根をかけるように、踏み板をのせていきます。
6. これが、階段でつくる家です。
7. 山のように、あるいはいくつかの建物のまとまりのように、そこに現れます。
8. 屋根全体がひとつの広場のようにも見えます。
9. ところどころにできる三角の壁をつたいながらのぼっていくと、
10. 他の階段の入り口から出てきた人と、ばったり出会うかもしれません。
11. 穴ぐらのような場所を通り抜けると、そこにゆったりできる、お気に入りの場所が。
12. 屋根から差し込む明るい日差しに、思わず伸びをしてしまうかもしれません。
13. 階段でつくる家は、居心地のよい場所を見つけるのが得意な猫のように生活する家です。
【階段でつくる家】
「Arts&Life：生きるための家」展 | 展示作品 | 賃貸住宅 | 木造 | 100㎡ | 日本/東京都/上野/東京都美術館) | 東京都美術館・朝日新聞社 | 2012 SEPTEMBER